電子書籍には電子書籍の価格帯というのをつくッちゃどうなのさ


iPadで電子書籍を読む。

マンガですけどね。

過去に紙版で持っていてよく読み、引っ越しなどの際に仕方なく売り払ってしまったものを改めて電子書籍で少しずつ購入して読み返しているところなのだが、これがどうもアレでね。

見開きの処理が酷い。

恐らく、紙で出版されていたコミックスを裁断してスキャンしただけなンだろう、見開き一面に大きく絵が描かれていたりするところでノドの辺りでぶっつりこんと絵が途切れて繋ぎ合わされているのだ。もとの紙の本ですら、製本の都合上、綴じられた部分が完全にぴったりと合わさった見開きになっているワケではないが、iPadのフラットな画面に一枚ものとして表示された時、このズレが非常に気になるものになってしまうのだ。

まぁ、これはたまたまオレの読んだ作品の出版社の仕事が雑なだけかも知れないけどね。

現代のマンガ雑誌の出版事情に精通しているわけではないが、印刷工程がDTP化されていると仮定すると、そこから電子書籍への転用はかなり容易なのだろうが、今読んでいるのは十数年も前の作品で、その当時、マンガ雑誌の編集出版工程がDTP化されていたかどうかはわからないが、されていなかったにせよ、改めて作者から原稿を借りて新たにスキャンし直せば、印刷物からスキャンしたものよりも画面表示もきれいな上に、こういった見開き表示におけるズレも最小限に抑えられるはずだ。(SHARPのGALAPAGOS STOREなどで売られている集英社のコミックスはこうしているのかもしれない。小学館の古い作品は印刷物スキャン)

もうひとつの不満はその価格。

現在の電子書籍の価格は、紙版の保護だの書店の保護だのといったことを理由に、紙版と変わらない価格設定となっている。

電子書籍が出回る以前は、電子書籍は印刷や流通の工程が省かれている分、価格は大分安くなるだろうといわれていたものだが、実際にはそうはなっていない。

そこで、電子書籍には電子書籍の新たな価格帯を作ってはどうかと思っている。

もともと紙版にしたって、その版型(大きさ)や製本方法、ページ数によって価格が決まっていたはず。

初めてハードカバーで出版された書籍が、数年後に文庫化されるというのはよくあることで、そのとき、ハードカバーそのままの価格で売られることはあり得ない。文庫本としての価格で発売される。

電子書籍も電子書籍の価格帯をつくって売ればいいじゃないか。読書好きの人でも、ハードカバーは大きくてかさばる上に価格もそれなりにするので、ハードカバーは敢えて買わずに文庫本になるのを待つという人の話をたまに聴く。

それと同じで、電子書籍で読みたい人と紙で読みたい人は別なのだと考えれば、別の価格帯を用意するのが道理なんじゃないかと思う。

利用するデバイスによってその大きさが変わるのだから版型という基準も、文字を拡大縮小できることでページ数も変わるのでページ数も基準にはできない。そこでデータサイズをもとにすればある程度の価格帯を設定できるンじゃないのだろうか? コミックスの場合はそこに解像度も加味してややってもいい。(解像度も結果的にはデータサイズに反映されるンだけどね)

いっそ、ハードカバーも文庫本も電子書籍も同時発売にして、読者が好きな形態で読めるようにするッてのもひとつの手じゃないだろうか。

ところで、印刷工程や流通工程を省いたお陰で浮いた経費は利益に変わってるはずなンだけど、一体どこに行っているのかね?
ちゃんと作者にもとに還元されていたり、書店の保護の名目で書店に補助金とか出しているのなら、それはそれで仕方ないが、出版社丸儲け状態なら問題じゃないか?

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